タイルの名古屋モザイク工業株式会社
HOME | Design award | 第3回 DA2018受賞作品(住宅)
 

WINNER 2018

住宅部門

金 賞
 

逗子のセカンドハウス
株式会社 クラフト

[テーマ:友人たちとホームパーティで集うクールモダンなワンルーム空間]
 
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都心に本宅のあるクライアントからのご依頼で、逗子の海を臨む築40年弱のマンションをリフォームした。友人たちと週末を楽しく過ごす為に、元々細かい部屋で区切られていた壁を取り払い、ワンルームのレイアウトとした。マテリアルはモノトーンの濃淡でグラデーションをつけクールモダンにまとめつつも、ピュアモリスのボタニカル柄のクロスを一部に貼ったり、掘こたつ部分にアンティーク調の板材を使ったりしてクールになりすぎないように配慮した。古いマンションで直床のため排水も動かせず、リフォームしやすい構造ではなかったが、対面キッチンを成立させるために迂回することとなった配管スペースには横長のタイルを貼り上部をカウンターとして納めたり、中央の梁にはルーパーと間接照明をいれて目立たないようにしたり工夫をした。(写真:株式会社クラフト 鹿討 桂 様)
「コットメント」全体床
「コアシェイド」キッチンサイド
「マテリアルストーンズ」水廻り壁
「ニューヨーカーグラス」水廻り壁

大きな床タイルを最もオーソドックスに配置することで、この住宅を実際のサイズよりも大きく、ゆとりある空間に感じさせることに成功しています。すべてのタイル(壁と床)はグレートーンの色調でまとまっていて、境界を曖昧にしながら”奥”へと消え、その結果タイムレスかつ間違いなくエレガントな環境で、リラックスしたひと時を過ごすことができる空間が実現しています。浴室エリアのモザイクタイルは空間に馴染み、ノスタルジックなレトロ感を与え、モダンで大きな明るい灰色のタイルと調和しています。この住宅の整然とした雰囲気は、人生の中で本当に大切なことに焦点をあてて、暮らしに喜びをあたえてくれています。素晴らしい。

アストリッド・クライン氏


逗子のセカンドハウスということですが、コンセプトにあるように、アクセントのような部分ではなく、空間全てをタイルでクールに仕上げている。セラミックタイルは熱伝導性がよく夏は涼しく、冬は床暖房との相性が良いため暖かく心地よいと思う。セカンドハウスとして割り切ったとは思うが、セラミックタイル床は自分自身も自宅で全面的に張っているので実感として共感できた。

米谷ひろし氏


全体をグレーと黒で柔らかくクールにまとめている点が、現代的だと感じた。床全体に使用しているタイル「コットメント」が、住宅空間の中では大きく見えるため、「逗子のセカンドハウス」にふさわしい屋外のようなゆったりした雰囲気をインテリアで実現しているように見える。対象製品の種類と面積が多いことも、評価点とした。

『商店建築』編集長 塩田氏
銀 賞

T様邸
積水ハウス株式会社 福岡支店 竹尾洋子(指定インテリアコーディネーター)

[テーマ:海外リゾートスタイル]
 
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施主は仕事で世界中を飛び回る敏腕社長ですが、家に戻ってもゲストを迎え入れることが多いため、2階の半分以上はゲストルームです。ゲストを迎え入れるうえで、生活感をあまり出さずに海外のリゾートを訪れたような印象を目指し、モノトーンとアースカラーをベースにすっきりとした空間を創り上げました。本物の素材に拘り、タイル・木・ガラス・和紙等、それぞれ高品質なものを選んでいます。解放感を持たせるため、中庭と家を一つの建築物として連動性を持たせる構造にしました。また、奥様のお部屋だけは、女性らしい温かみのあるテイストにし、独立した一部屋としました。夫妻ともに、度々名古屋モザイク工業のショールームに足を運び、お気に入りを選んで頂きました。特に奥様がウッドソーホーをお気に召され部屋のアクセントにしており、施工時も立ち会いの元、色のバランスを見て配列にも気を配りました。(写真:左/積水ハウス株式会社 福岡支店 竹尾洋子様 右/積水ハウス株式会社 武蔵野支店 藤原傑 様)
「ニューセンチュリー」メイン床
「グランラウンジ」デッキ床
「スウィートグラス」玄関ウォーターホール床中庭ウォーターテラス
「クォーツストン」玄関ホール床
「アルドワーズ」1階暖炉壁
「アーバンネイチャー」1階リビング床
「ウッドソーホー」2階寝室棚壁
「エポックエピック」2階寝室床
「バーリミスティ」2階寝室床
「ニューヨーカーグラス」2階洗面壁
「コアシェイド」2階リビング床
「ミニマルスマート」
「ヴェナトゥーレ」
アストリッド・クライン氏:広い空間の中に置かれた大きな床のタイルは、リゾートスタイルの環境を求める施主の希望をうまく反映しています。一般的に、多種多様なタイルを使う場合、視覚的に空間を乱すことが懸念されます。しかしこのプロジェクトでは、全体的な印象はクールでクリーン、そしてシャープに空間を浮き上がらせており、タイルが落ち着いた空間を作り出す効果を果たしています。水底の様々な色の小さなガラスモザイクは、水の波紋にきらめく効果となり賢い使い方だと思います。繰り返しになりますが、リラックスした心地よさに浸れる場所になっていると思います。
アストリッド・クライン氏


「リゾートスタイル」とタイトルにあるように、エントランスホール、リビング、そして中庭の水盤まで、セラミックタイルの床が、内部から外部までの連続性を生み出し、空間に開放感を与えている。外部で使用されている素材が内部に入ることで、プライベート空間でありながらパブリック空間としての性質を持たせることに成功している。サイズや色合いなど、適材適所にバランスが取れていて好感がもてた。
米谷ひろし氏


来客の多いリゾートのような住空間が、大胆な水盤や、大らかなプランニングによって実現しているように見える。「2階の半分以上はゲストルーム」ということで、多く訪れるゲスト達が、非日常的な気持ちを味わえる空間が求められただろう。そこで、ホテルのような上質感や非日常感を、大きなガラスや石材と合わせて、タイルを多数用いることで実現している。対象製品の種類と面積が多く、空間の主要な箇所に使っていることも、評価点とした。
『商店建築』編集長 塩田氏
銅 賞

よし子さんの家
青木設計事務所 青木良介

[テーマ:タイルの風]
 
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この家の中心には、光で満ちた「タイルの中庭」があります。 タイルは耐久性と美観性に優れるため、生活の中で常に目にする中庭にぴったりな材料です。 デザインテーマを抽象的な「風」として、色彩豊かな大小様々なタイルを自由にちりばめて手づくりしました。具体的な絵や模様を描くモザイクアートではなく、施主をはじめ子供からお年寄りまで多くの人が参加できるタイルワークショップとして成立させるためです。多くの人の手でつくられた空間は、建築の硬さをやわらかく優しくしてくれました。 さわやかな風の流れを感じさせる中庭は、施主であるよし子さんがお友達と食事や趣味を楽しむ「外の部屋」として使われています。(写真:青木設計事務所 青木良介 様)

「クラベリーナ」壁
「キャラメランジュ」壁
「アートモザイク施釉10角」壁
「コットメント」床

この中庭は、暖かい感情を呼び起こしてくれるまさに美しい芸術作品になっています!土を表す床の茶色のタイル、遠くの畑と丘の色付きタイル、新鮮なそよ風の揺らめきを示す青や、天の川の星々を表す黄色の配色それらすべてが自然を抽象的に表現しています。おそらくモザイクは壊れてバラバラになった大きさの違うタイルを使用していると思われるのですが、色やサイズが非常に巧みに使用されており、リズムと動き、そして硬質なセラミックタイルにはない暖かさを作り出しています。たくさんの手がこのモザイク作品を創り上げたことを知ると、さらにこの空間が愛しく魅力的に感じられますね!

アストリッド・クライン氏


タイルといえば「モザイクタイル」と連想する人も多いだろう。本アワードではこのような作風を期待されるところでもあると思っていた。施主が取り組みやすい方法で、中庭全面の壁面を絵画のようにモザイクタイルを手作業で貼ったことで、想像を超える愛情がうまれたと思う。タイルは表層的であるがゆえの、手軽さといった優位性を素朴に実践した好例である。

米谷ひろし氏


ほぼタイルのみで中庭の雰囲気を作ってしまっている点を評価した。タイルによる壁画は、適度に抽象化されているので、長時間見ていても、飽きなさそうだ。タイルの力によって、屋外空間が室内のような温かみと親密さを獲得しているように見える。施主家族が参加するワークショップ型で施工をしたことも、タイルの活かし方として評価したい。

『商店建築』編集長 塩田氏
入 賞

久留米の住宅
皇空間設計 一級建築士事務所

[テーマ:リビングとテラスが繋がる家]
 
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撮影:大野公聖

夫妻2人と子供1人のための住宅。 敷地は交通量の多い道路に隣接した場所である。 室内の建具を全て解放すると、LDKからテラスへと続くタイルにより、さらに広い空間を感じる事ができる。 家族で過ごすゆったりとした週末の風景をイメージし、プライバシーを保ちつつ、開放的な空間を創ることができた。 「グランラウンジ」のタイルが、シンプルでモノトーンの空間のイメージに上手く調和した。

「グランラウンジ」床

明るいモノトーン色の大きなサイズの床タイルを使用するだけで、実際よりも広く見えるようになります。床が何にも邪魔されずニュートラルに続くことで、住居の静けさを強調しています。 自宅でひとり深呼吸をしてリラックスさせてくれそうに感じるのは、スタイリッシュな空間ならではのものですね。

アストリッド・クライン氏


全体的な佇まいとシンプルなプランに対して、非常に相性よくタイル素材が配置されている。モノトーンの空間では素材感よりも、グレースケールの濃淡の中から選択されたであろうシンプルな意思を感じられ共感できた。明るい床は対候性や防汚性、清掃性などに問題を感じる方が多い中で、セラミックタイルを使用したことも理にかなっており、リビングとテラスを繋ぐさわやかで印象的な空間となった。

米谷ひろし氏


開放的で大らかで、大変気持ちの良さそうな住宅である。開口部の建具をスッキリとしたデザインにすることで、室内と屋外が連続感を持っているように見える。そうなると、床材は、大きなスケールで、屋外の延長のような雰囲気を持ったものがよいが、そこにうまく「グランラウンジ」を用いている。そのおかげで、庭までがLDK の一部になったようである。もしかすると、ダイニングのテーブルと椅子が、もっとどっしりとした重量感のあるものだと、全体のバランスが良かったのかもしれない。

『商店建築』編集長 塩田氏
入 賞

北洲ハウジング中山展示場 Wales SERIES
株式会社 北洲

[テーマ:暮らしに輪郭を描く。]
 
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自分らしい審美眼でセレクトし、そこでしか得られないシーンを創り出すことで、物質的な豊かさと精神的な豊かさを得ることができる。 タイルは住まい手の望む印象や、シーンを暮らしの中にくっきりと、時にはぼんやりと輪郭を描くアイテムといえる。

「ウェーブフォーム」和室壁
「シェヴロンウォール」ダイニング壁
「サテリッティ」キッチン壁
「No.145B-B黒釉」寝室壁 ※特注商品
「マヨリカモデルナ」トイレ壁

このプロジェクトのポイントは、各部屋に異なる種類のアクセントになる壁を使用したところでしょう。大胆なジグザグ模様を見せることはとても勇気のいることですが、それが気分を高揚させるハッピーなムードを作り出しています。こういったアプローチはあらゆる環境において目指すべきかもしれません。

アストリッド・クライン氏


セラミックタイルは生活の中で使われる食器や衛生陶器など、素材としての親和性が高いと感じている。天然石や金属に変わる機能素材であったりするが、「暮らしに輪郭を描く」とタイトルにあるように、機能を押さえつつもセラミックらしさを生かしたセレクトで、商品開発されたデザイナー側からみても、ある種の理想を具現化した好作なのではないかと思う。

米谷ひろし氏


展示場のモデルルームのようだが、そのおかげで、商業空間のような思い切った方法でタイルを使用できているのかもしれない。しかし、だからこそ、「住空間でも、タイルをこんなに楽しくスタイリッシュに使ってみてもよいのでは」という提案例として、今回のアワードにふさわしいと感じた。キッチンカウンター、リビング、和室、寝室など、生活シーンの随所にタイルを使っていることも、施工事例として参考になる。それぞれの使い方を見ていると、「凹凸によって陰影をつける」「同一面にテクスチャの異なる同色のタイルを使う」「珍しい貼り方で貼ってみる」といった方法で、非日常性や特別感を演出できることが感じられる。

『商店建築』編集長 塩田氏
入賞(集合住宅賞)

インプレストレジデンス上野 ジ アーキテクト
株式会社 三輪設計 東京本社

[テーマ:和モダン]
 
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設計:株式会社三輪設計 東京本社 建築主:双日新都市開発株式会社

本物件は、双日新都市開発株式会社様の中で初の賃貸物件として「集う」というテーマのもと計画を進めていきました。全体のデザインとしては、周辺街並みがお寺や神社などが集まる地域のため、日本の伝統的な雰囲気を取り入れ、和モダンな外観としています。外構塀や延べ段、行燈等、日本庭園を感じさせるデザインを取り入れました。共用部について、アプローチから住⼾に向かうまでは、和モダンな外観デザインからの流れを取り入れて計画しており、住⼾の中やラウンジの中は、さまざまなライフスタイルの方が集えるように、外観イメージとは違うモダンナチュラルなインテリアとして居心地の良い空間を目指して計画しています。

「レガート」エントランス内壁
「アリアルボーダー」エントランス外壁
「クラルテ」内壁
「アルファヒルズ」エントランス床

自然な素材に素朴なナチュラルトーンのタイルを組み合わせることで、エントランスに暖かいおもてなしの雰囲気を与えています。

アストリッド・クライン氏


集合住宅における共用部、とりわけエントランス空間はその地域性や入居者の考えが端的に表現されるところである。「和モダン」をテーマに選択されている素材感は、表面的な凹凸、色の濃淡などが空間構成上の主役でありながら巧みに他の素材と呼応させている。デザインを大きく分けて「対比」と「調和」だとすれば、日本的な「調和」がとれた良作だと思う。

米谷ひろし氏


内外にわたり、多種の対象製品が、大きな面積で使用されている。応募作を見ていると、タイルの使用事例は、ヨーロッパ風のデザインやモダンなデザインの中で使われているケースが多いように見えるが、そうした中で、和風のテイストを演出するためにタイルが効果的に使われており、その意味で、タイルの使用例として参考になる。落ち着いた色味のタイルを組み合わせることで、エントランス空間全体に、落ち着きと格調が生まれているように見える。

『商店建築』編集長 塩田氏

過去の開催情報

第9回

Design Award 2024

第8回

Design Award 2023

第7回

Design Award 2022

第6回

Design Award 2021

第5回

Design Award 2020

第4回

Design Award 2019

第3回

Design Award 2018

第2回

Design Award 2017

第1回

Design Award 2015