タイルの名古屋モザイク工業株式会社

    

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タイルの施工法について

 
タイルの施工法は、施工能率の向上、剥離や白華の防止、熟練タイル工不足の解消などの必要性から、
工法の改良や開発が重ねられ、建築工事の合理化に応えてきました。現在行われているタイル施工法の概略をご紹介いたします。

 タイル施工のポイント

タイル工事の最も重要なポイントは、タイルの剥落を防止することです。施工箇所や条件、タイルの種類に合った適切な施工法の選定が重要です。
詳しい施工方法は、「JASS19セラミックタイル張り工事(2022年改訂版)」を参考にしてください。以下より、セメントモルタルによる後張り工法(コンクリート下地壁タイル直張り・モルタル下地タイル張り・パネル下地壁タイル張り・床タイル張り)、有機系接着剤によるタイル後張り工法(壁タイル張り・床タイル張り)などをご紹介します。また、工場で行われる先付け工法としてはタイル先付けプレキャストコンクリート工法があります。いずれの工法を採用する場合にも、タイル工事の基本として、以下のポイントは確実に守らなければいけません。
 

  1. 施工箇所の条件に合った適切な施工法の選定

  2. タイルの形状および大きさにあった張り方の選定

  3. 伸縮調整目地の適切な設置

  4. 十分な下地調整と下地養生期間の確保

タイルの呼称について(サイズ・面積・厚さによって呼称を区別)

大形タイル

サイズ:300mm角(面積 900cm2)程度を超え、1,200mm角(面積 14,400cm2)程度以下 厚さ:8 ~ 10mm程度

薄型大判タイル

サイズ:長辺 3,200mm角程度以下 厚さ:3~7mm程度

  壁タイルの施工法

モルタルセメント張り工法

セメントモルタルによる後張り工法の安全性は施工の良否に大きく左右されます。「JASS 19 セラミックタイル張り工事」を参考に、剥離・剥落のないよう、しっかりとタイルを接着してください。

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有機系弾性接着剤張り工法

有機系弾性接着剤を使用して建築物の壁面にタイルを全面接着するタイル後張り工法です。従来のモルタル張り工法に比べ、下地の変形や下地とタイル間の熱膨張の差による応力を緩和できるため、タイルの剥離・剥落防止に効果があります。

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大形タイル部分接着剤張り工法

大形タイル部分接着剤張り工法は、有機系接着剤( 以下、接着剤)を使用して300mm角を超える大形タイルを施工するために開発された工法です。接着剤をビード塗布または点付けするため、タイルのレベル調整が容易で、タイルの落下防止対策として補助金具を併用することで、より安全な施工ができます。

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NT工法
/ 薄型大判タイル接着剤張り工法

タイル厚6mm程度の薄型大判タイルを接着剤で施工する方法です。
3つの工法から、施工部位(屋内壁・屋外壁)、下地条件によって最適なものを選んで施工することが可能です。

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金具併用工法
/ NM乾式結合工法

NM乾式結合工法は、大形タイル・薄型大判タイル・石材・れんがなどの仕上材を金属製の専用基盤と弾性接着剤を使い簡単に施工できる工法です。基盤材は下地にルーズホールでビス固定されるため、建物の変形および下地面の挙動に対して独立した動きとなり、高い免震性能を実現させました。地震時や強風時の揺れに対して安全・安心な工法です。

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AMクランプ工法
/ 大形タイル完全乾式工法

AMクランプ工法は大形タイルやテラコッタを専用金具(クランプ金具)で壁面に施工する完全乾式工法です。完全乾式工法のため、10年定期調査は目視検査となり全面打診検査は不要です。

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AM-PCアンカー工法
/ 大形タイルPC打込み絶縁工法

AM-PCアンカー工法は大形タイルが割れない、落下しない、汚れにくい工法で、専用金具(AM-PCアンカー)で必要な支持力を得る信頼性の高い工法です。絶縁工法のため、10年定期調査は目視検査となり全面打診検査は不要です。

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  床タイルの施工法

セメントモルタル張り工法圧着張り

セメントモルタル・接着剤を使用した代表的な床タイル施工法をご紹介します。タイルのサイズや施工箇所に合わせて工法をお選びください。

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改良圧着張り
改良圧着張り / CSP工法

300角を超えるタイルを床に施工する場合に推奨する工法です。CSP工法は、大形床タイルおよび石材の床張り用に開発された施工方法です。

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床暖房対応タイルの施工方法

タイルは熱伝導率や蓄熱性に優れた素材です。タイル仕上げの床暖房は、暖かさが長持ちし、遠赤外線効果で身体を芯から暖めます。床暖房を使わない夏場はひんやりと、冬場は床暖房により暖かい空間をつくり、インテリアに合わせて色やデザインを選ぶことができます。水や汚れ、傷にも強くペットが行き来する空間にも最適です。

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外部乾式上げ床工法
/ レイズドフロアーシステム

屋上やバルコニーなどの屋外空間を有効に使うための工法として、レイズドフロアー・システムは開発されました。仕上げ高さに応じた部材(大引・根太・BB支柱)を組み合わせ、高さ調節できるようになっています。屋内と屋外の段差がなくなることで、バリアフリー化が必要とされる大型物件にも対応可能です。20mm厚タイルに取り付けたアルミ目地プレートと根太を、ビス留めすればタイルが固定され、ビスを外せばタイルを取り外すことができるため、安全性の確保だけでなく、防水層のメンテナンスも簡単にでき、タイルも再利用(リユース)できる新工法です。

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伸縮調整目地の施工に関する注意事項

タイルのひび割れ、剥離を防止するための伸縮調整目地は以下の位置に設けてください。なお、伸縮調整目地幅は10mm 以上とし、シーリング目地とします。シーリング材は、変成シリコーン系またはポリサルファイド系とし、「JIS A 5758(建築シーリング材)」に適合するものを使用してください。

  • ひび割れ誘発目地
  • 各階の水平打継ぎ目地(階高が 5m以上の場合はその中間)
  • 構造スリット
  • モルタル下地の伸縮調整目地(3m程度以内)
  • 他材料との取合い部、開口部などの建具との取合い部
  • 入隅部
  • ALCパネル、押出成形セメント板の板間の全ての目地(層間変位に応じた目地幅)
  • コンクリート下地壁のタイル張り面(セメントモルタル張りの場合、縦目地が 3m 内外、横目地が 4m 内外、曲面部はその半分程度の間隔)

 
 

伸縮調整目地の設置例


正しい設置の例

誤った設置の例

伸縮調整目地・ひび割れ誘発目地構成例


 
 

目地施工に関する注意事項

  • 目地材の施工はメーカーの取扱説明書に従い行ってください。
  • 剥離・剥落の原因となるため、突きつけ目地(ねむり目地)や深目地はしないでください。
  • モルタル張り施工の場合、タイル厚の1/2 以上目地材を詰めてください。
  • 弾性接着剤張り施工の場合、空目地(目地詰めなし)施工できますが、接着剤の十分な塗り厚を確保しタイルをしっかり揉み込むことで、裏面の空隙ができないよう施工してください。
  • 光沢が低くざらつきがあるタイルは、釉薬面や表面の微細な空隙に目地材が強固に付着する場合があります。施工前に目立たない箇所で目地詰めテストを行いご確認ください。
  • カーボンや酸化鉄が混入された濃灰、黒系目地材は目地残りしやすいため、施工前に目立たない箇所で目地詰めテストを行いご確認ください。
  • 意匠上、釉薬面に貫入があるタイルは、貫入部分から微細な粒子等が釉薬面に侵入・浸透し汚れの原因となる恐れがあります。カーボンや酸化鉄が混入された黒系目地材の使用は避けてください。
  • タイルや石材によってはカラー目地の成分が表面に付着し色合いが変わる事があります。カラー目地をご使用の際は施工前に目地詰めテストを行いご確認ください。
  • 表紙貼りユニットタイルでは、糊残り部分に目地材が混じって目地残りとなる場合があります。目地施工前に十分に糊を除去し、目地詰め後できるだけ目地を拭き取ってください。また、目地詰め後できるだけ早い時期に洗浄してください。
  • 有機系弾性接着剤張り工法で目地材を施工した場合、下地への吸水がなくなるため、目地材が白華しやすい傾向があります。
  • 粗面の AⅡ無釉タイル等で塗り目地をすると、目地残りを活かした意匠ができます。施工前に目地詰めテストを行い意匠性をご確認ください。