HOME | Design award | 第5回 DA2020受賞作品(住宅)
 

WINNER 2020

住宅部門

金 賞
 

ARTESSIMO CALDO
AIUEO STUDIO 株式会社

[テーマ:繋ぐ家]
 
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設計:AIUEO STUDIO 株式会社/代表取締役 佐々木 純也 プロジェクト担当 有島 力
施工:株式会社 田名部組 事業主:株式会社GSディベロップメント 撮影:太田 拓実
東京スカイツリーを間近に臨む敷地に建つ集合住宅。敷地の周辺には比較的築年数の古い建物が立ち並んでおり、スカイツリー周りの近代的な雰囲気とのコントラストが色濃い印象を持った。そこで、本建物ではファサードに木を採用し近隣との境界に温かみを持たせ、エントランスでは柔らかい色のタイルを採用することで、建物としての存在感を持ちつつ、対比のはっきりした2つの周辺環境の要素を柔らかく繋げることをテーマとした。
「ジェオメロウ」エントランスホール 壁

集合住宅のエントランスのデザインと、タイルによるデザインの、双方に新しい視点を与えてくれた作品だと思う。これまで、集合住宅のエントランスと言えば、高く購入してもらったり借りてもらうため、重厚で尊大なデザインが多かった。しかし今回のデザインは、柔らかい色調のタイルを組み合わせ、これまでにない、軽やかで楽しげなエントランスとなっている。デザインそのものについても、あえて同じシリーズの色違いだけを利用し、巧みにシークエンスを生み出しており、今後のタイル利用に刺激を与えそうだ。

猪熊 純 氏
銀 賞

1 Livingの家
茂木哲建築設計事務所

[テーマ:1つの大きなリビング、浴室も1つのリビング]
 
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茂木哲建築設計事務所 茂木 哲 ©️Photo by 山内 紀人 森山 祐子
築40年の庭付き団地をリノベーションした計画です。 庭を部屋のどこからでも眺められ、子育てがしやすいよう全体が1つのリビングとなるプランを採用しました。より広がりを感じるために浴室をリビングの一部としたことが特徴です。 庭が眺められる開放的な浴室には唯一の間仕切りとして、タイルで仕上げた腰壁があります。この腰壁は水仕舞いができるとともに、和室の設えとして繊細な表情を持つタイルが必要でした。この腰壁があることでキッチン側からは浴槽が見えず和室の連続として空間の広がりだけを感じることができます。 タイル工事が減っている昨今ですが、浴室を空間の主役として設えることで活躍の場が広がると考えています。
「エリアボーダー彩」浴室・和室
リビングルームに浴室を配置する意外性もありながら、これからの住宅のあり方として、快適さを重視した家です。お風呂でリラックスすることは、リビングルームで寛ぐこと、音楽を聴くこと、本を読むこと、または単に好きな飲み物を楽しむことと同じくらい大切です。また、このお風呂が窓際の絶好の場所にレイアウトされていることも魅力的です。通常こうした場所にはキッチンカウンターを配置しますが、このスリムな白いセラミックタイルが、この場所はお風呂が最適だと思わせてくれます。白いタイルはバスタブと上手く調和し、周囲の壁は落ち着いた色調のナチュラルなタイルで覆われ、リビングルームの全体的なトーンにスムーズに結びついていることが素晴らしいです。
アストリッド・クライン 氏
銅 賞

菊名の家
Small Design Studio

[テーマ:距離感と質感]
 
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設計:Small Design Studio 施工:株式会社 沢井工務店 撮影:斎藤 由美

54.14㎡の小さなマンションに4人暮らしの家。引きで写真を納めることのできない距離感、そのような親密な空間だからこそ、小さいからこそ、現れてくる質感や生活のぬくもり。 どこにでもある家族の風景が、望遠鏡で覗いた様に大きく拡大され、その小さな空間を引き延ばすように配置されたキッチンとその壁に日常の営みが映し出される映画の様に計画した。

「ノール」キッチン 壁

コンパクトな面積に4人暮らしの住宅。家具やオブジェをあまり多く置くことができない中で、豊かなライフスタイルをいかに空間で描くか。それをうまくタイルで提案している。使用したタイルは、柔らかいグレーで、複雑で不均質な模様を纏っており、人間味を感じさせる。同時に、やや大きなサイズのタイルを壁一面に貼ることで、非日常性を生んでいる。結果として、キッチンでの何気ない所作の一つひとつが、映画のワンシーンのように映えて、日常に豊かさをもたらしてくれるだろう。

塩田 健一 氏
入 賞

甲賀の家
ハース建築設計事務所

[テーマ:柔らかな光の陰影を創り出す土間リビング]
 
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設計:久我 義孝/ハース建築設計事務所 施工:十一屋工務店 撮影:山田 雄太

「将来、家で小さな喫茶店をしたい」という夢があるクライアント様のための戸建住宅です。外からの繋がりを大切にするためにポーチと玄関土間(土間リビング・ダイニング)の床を同じタイルで統一し、玄関を入って正面の階段部分には同じ種類のタイルを壁一面に貼ることで、アクセントとしつつ全体の繋がりを創り出しました。外壁の色や階段、照明、家具との相性も考えタイルの種類と色を選びました。ダークな色味ながら窓の光に反射して、柔らかな陰影や素材感を浮かび上がらせ、一日を通して多様な変化をもたらしてくれます。

「デンバーストン」階段 壁・リビングダイニング 床・土間 床・玄関 床・ポーチ 床

非常にバランス感のよい、丁寧な作品である。エントランス周りの中で、空間の骨格を作る床と吹き抜けの壁のみをタイルとし、一方で人が触れるカウンターや家具、柔らかく全体を包み込む天井を木とし、対比による調和を作っている。タイルも木も、あまり艶のないものを利用し、素材の良さを活かしている点も好感がもてる。特別に目を引くアイディアがあるわけではないが、こういった質の高いデザインの積み重ねが、本当の意味で日本のデザインリテラシーをあげることにつながるのかもしれない。

猪熊 純 氏
入 賞

BEEVALLEY YOYOGIUEHARA
株式会社 AE 総合計画

[テーマ:静動の空間]
 
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設計:株式会社 AE総合計画 天児 実 施工:株式会社 佐藤秀 撮影:イメージグラム

4〜5Fがメゾネット形式の住宅。4Fはリビング、ダイニング、書斎等の動的空間、5Fは寝室等の静的空間と位置付け、4Fと5Fをつなぐ階段部分は動から静へのスイッチング空間としている。動的空間である4Fは床・壁・天井をホワイト系の色彩帯で統一し、壁にホワイト系の「スティックストン」と「マーブルラブ」の大判タイルを採用し、家具・建具をポイントカラーとしてブラック系の色でまとめている。スイッチング空間には中間色であるグレー系の「スティックストン」を用いている。5Fの静的空間はウォールナットを中心として、内装カラーと照明の色温度を下階より低く設定しており、日々の生活における人の体内リズムに沿った計画を意図している。

「スティックストン」 エントランス〜リビング 壁・階段吹抜 壁
「マーブルラブ」キッチン 壁

仕上げのなかで、タイルが占める割合が最も多かった作品の一つであるにも関わらず、爽やかな空気感に満ちた作品である。特に、「スティックストン」を2種類使うことによって4Fと5Fのコントラストを引き立てながら家全体の個性も作り出している手腕は素晴らしい。「スティックストン」は、艶のある大判タイルやウォールナットといった様々な素材を一つのデザインにまとめ上げるのにも役立っている。

猪熊 純 氏
入 賞

3 in 1
戸田智建築設計事務所

[テーマ:空間に個性を生むタイル]
 
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設計:戸田智建築設計事務所 撮影:笹の倉舎/笹倉 洋平

クライアントは住まいづくりの中でもキッチンにこだわりを持っていた。 オールステンレスのオーダーキッチンはその現れでもあるが、その強い存在感に対して良い緊張感が築けるような壁面もデザイン上のポイントであった。数あるマテリアルの中から質感とメンテナンス性に優れたタイルが選択され、その中でも形状に特徴のある「シェヴロンウォール」に行き着いた。 この異形タイルは凹凸や柄に寄ることなく、その貼り方により画一的ではない個性ある表情を生むことが出来る。マットなステンレスと光沢のある黒いタイルが相俟って、LDKの一室空間の中に独立しているかのようなキッチン空間をつくりだすことに成功した。

「シェヴロンウォール」キッチン 壁

小さな表面積のセラミックタイルで上品なアクセントを実現できることを美しく示した作品です。セラミックタイルでキッチンを覆うことは珍しいことではありませんが、シェヴロンパターンが、通常の直交レイアウトと一線を画しています。シェヴロンパターンの一部はキッチンカウンターと平行に、もう一方はダイナミックに右上を指します。キッチンの天井が傾斜しているため、一般的な正方形のパターンと比べ、壁と天井の収まりがうまく機能しています。また、パターンはキッチンコーナー周りに美しく続き、空間全体に素敵なスイングと隆起を与えます。職人の方へ心から称賛を送りたい作品です。

アストリッド・クライン 氏
特別賞〈 NO TILE, NO LIFE賞 〉

シニアライフを安全に楽に清潔に住める家
株式会社 コンセプション

[テーマ:時を経ても色褪せない上質で落ち着いた、センチュリー+モダンスタイル]
 
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デザインプロデュース・設計:株式会社 コンセプション

定年退職を迎え、第二の人生を過ごすご夫婦のための住宅。 元々二世帯住宅でご夫婦の両親が住まれていた部分を、今後介護が必要になった時のことを踏まえてリノベーションした。 使い勝手はシンプルにすると共に、築30年以上経ったデザインを生かしながらも、時を経ても色褪せないデザインを目指した。 全体のデザインの統一性を図りつつ、浴室のモザイクタイルはご夫婦に選んで頂いた色味を取り入れた。 ご自身で選んで頂いたことでより愛着を持って頂けると尚嬉しい。

「マルアーク」浴室 壁
「コスミオン」浴室 壁
「サシャ」キッチン 壁
「ベーシックストン」浴室 床

シニアのご夫婦が第二の人生を楽しむ住宅である。「安全に楽に清潔に」をテーマに据えると、一般的には、樹脂系のシート素材や壁紙などが使われそうだが、ここでは、浴室、洗面、キッチンが、様々な色やサイズのタイルで覆い尽くされている。タイルの一部を施主が選んだという。もはや「安全に楽に清潔に」という機能的要件を超えて、設計者と施主の「タイルへの愛情」を感じる。シニアライフにおいて、そしてコロナ禍の「ステイホーム時代」において、愛着の湧く住空間をどうつくるかは重要なテーマである。

塩田 健一 氏

過去の開催情報

第8回

Design Award 2023

第7回

Design Award 2022

第6回

Design Award 2021

第5回

Design Award 2020

第4回

Design Award 2019

第3回

Design Award 2018

第2回

Design Award 2017

第1回

Design Award 2015