2025年のトレンドカラーに注目
毎年12月頃に様々な機関が発表する翌年のトレンドカラー。トレンドカラーは、デザイン系のイベントやカラートレンド予測機関(例:PANTONE®︎社)から発信され、その時代の価値観を象徴する色として世界中のクリエイターやデザイナーに大きな影響を与えています。今回は、色彩の標準化に貢献するアメリカの企業として世界的に知られるPANTONE®︎社がリッチで温かみのあるブラウン「Mocha Mousse(モカムース)」を、そして日本流行色協会(JAFCA)が自然を象徴する深い青緑「Horizon Green(ホライゾングリーン)」を、それぞれ2025年の代表色として公表しました。これら2色は一見異なるようでありながら、共に自然とのつながり、心の安らぎ、そして日常の温もりを反映した色合いです。今回は、この2つのトレンドカラーに関連するタイルをご紹介します。
PANTONE®︎社 - Color of the Year 2025
今年で26年めを迎えるColor of the Year(カラー・オブ・ザ・イヤー)でPANTONE®︎社が2025年を象徴する色に選んだのは、リッチで温かみのあるブラウン、Mocha Mousse(モカムース)でした。洗練された中にも素朴な魅力を秘め、現代社会に求められる「安らぎ」と「日常の贅沢」を象徴する色合いです。
リッチで温かみのあるブラウン
Mocha Mousse(モカムース)
PANTONE 17-1230 Mocha Mousse(モカムース)は、カカオやコーヒーのように、日常の中にある小さな贅沢やリラックスしたひとときを連想させます。パントン・カラー・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター、リートリス・アイスマン氏は次のように述べています。(出展先 PANTONE®︎)
モカムースは、洗練されていながらも気取らない謙虚さと、クラシックなブラウンの高級感を融合した色。その内に秘めた感覚的で心地よい温かさは、私たちが求める「快適さ」と、日常に潜む小さな喜びを感じる贅沢さ、それを周囲と分かち合うことへの願いを反映しています。
2025年に選出された“モカムース” イメージ
2024年の「ピーチファズ(Peach Fuzz)」がやわらかな優しさを表現していたのに対し、モカムースは少し地に足がついたような落ち着きと深みを感じさせます。自然と調和し、忙しい日常に穏やかな瞬間をもたらすこのカラーは、今の時代にぴったりの癒しカラーと言えるでしょう。モカムースはタイルで取り入れるにも最適なカラーです。タイルの施工場所としておすすめのキッチンや洗面室、リビングの一部にモカムース色のタイルを使い、木材やラタン、リネンといった自然素材と組み合わせればシンプルで温かみのある空間になります。また、質感のある素材のベルベットやスエード、レザーと相性がよく、大理石、真鍮などと組み合わせれば高級感のある空間に仕上がります。さらに、トライバル柄のラグやクッションを添えれば、ボヘミアンスタイルも楽しめます。
Mocha Mousseに類似する色のタイルをPICK!
コットアムーリ / MRR-L9032 NEW
MRR-L9032(200角)/ 海外施工例
マシア / EK-F3020
ベンチ:EK-F3020(150×75角) / なごアグリパーク 設計 富山晃一 + 野見山周作建築事務所 撮影 AKINORI TANAKA
撮影 野見山周作
パヴェモザイク / LSN-R2107
LSN-R2107(15角)/ K様邸 設計・デザイン 株式会社シャルドネ・オフィス
アートモザイク施釉10角 / ATS10-E16
ATS10-E16(10角)/ デザインアワード2023住宅部門ファイナリスト
設計 knof 撮影 Haruki Kodama(左の写真)・Takuya Furusue(右の写真)
アベニュー / NUR-190-A-53
NUR-190-A-53(200×100角)/ デザインアワード2024住宅部門銅賞 設計 mononoma 撮影 山内紀人
その他
アートモザイク施釉25角 ART25F-I-2(25角)
ロザリア ROS-43(15角)
麻の葉 FRO-007(45×14三角形)
ヘキサゴン HEX22-603-C(22六角形)
クロザネイ CLN-002(43×38三角形)
パスチャー EP-55AB(95×45角)
オッキオ OCC-300-59(300角)
ベッラレーニャ ORG-O9050(1200×200角)
一般社団法人日本流行色協会 JAFCA - メッセージカラー
一般社団法人日本流行色協会 JAFCAが2025年の色に選んだのは、ホライゾングリーン(Horizon Green)でした。
JAFCAは以下のメッセージを公表しています。(出展先 一般社団法人日本流行色協会 JAFCA)
自然の色と言えばグリーンが挙げられます。中でも青みを帯びたグリーンは、深い森の樹木、豊かな海、美しい珊瑚など、壮大な自然を想起させる色です。青みに、混沌とした時代を冷静に読むまなざしや、その先にある希望のイメージを重ね、青みを帯びたグリーンを2025年の色―メッセージカラーとして選定しました。空の青と海のエメラルドグリーンが溶け合う水平線の色、「ホライゾングリーン」。どこまでも繋がる水平線を見つめるように、広い視野で先を見通す、落ち着いた中にも確かな希望を感じさせる色です。(一部抜粋)
2025年に選出された“ホライゾングリーン” のイメージ
昨年から続くモデレートカラーのブルーイッシュグリーン
Horizon Green(ホライゾングリーン)
近年トレンドのモデレートカラー(=濁色 / 中間色)は、鮮やかな色にグレーを混ぜた色のことで、穏やかで落ち着いた上品な印象を与えます。ホライゾングリーンはブルーとグリーンが調和した、空間に安らぎと爽やかな印象をもたらす色で、この色もまた、空間のアクセントとしてタイルを使って取り入れるのが最適です。例えば、壁にホライゾングリーンのタイルを使用し、ステンレス製の家電や家具と組み合わせれば、洗練された都会的な雰囲気に。一方、真鍮の金具と合わせると、温かみのあるクラシカルな雰囲気に仕上がります。さらに、さまざまな素材と相性が良く、オークやウォールナットなどの木材や、ホワイトやライトグレーの大理石、スレートなどの天然石と合わせることで、上質で高級感のある印象を演出できます。ステンレスや真鍮といったメタリック要素と組み合わせると、モダンでスタイリッシュな空間が完成します。
Horizon Greenに類似する色のタイルをPICK!
コラトゥーラ
MRR-F4020(目地なし施工) / biota CAFE 上町メディカルテラス
MRR-F4020(150×50角)
MRR-D4020(100角)
MRR-D4021(100角)
エスマルタード / APC-G1030・G1031-M
APC-G1030:G1031-M=3:1ミックス(130角)
S様邸 設計 暮しのデザイン 季ノ香 施工 有限会社藤建設工房 撮影 Piro Photo Works
ボルサーリ / MZU-F7730
MZU-F7730(200×100角) / Instagramフォトコンテスト第8回入賞 個人邸 施工 アドヴァンスプラン
クラルテ / CLA-500
CLA-500(150×75角)
クロザネイ / CLN-008
CLN-008(43×38三角形)
その他
プライアストン PLY-630-6(600×300角)、PLY-300-6(300角)
アートモザイク施釉10角 ATS10-D9(10角)
アートモザイク施釉22.5角 ATS225-E-9(22.5角)
麻の葉 FRO-013(45×14三角形)
ニューヨーカーグラス WZA-T3030P(25角・25×11.5角・11.5角ミックス)、WZ-T1506P(15角)
ストリングスグラス TCT-R2070(48×23角)
ムラーノデルマーレ AND-Q2407(45.5×22角)、AND-T2207(22角)
シエルグラス SEL-20-122(20角)
シトローナ SIT-B157(22.5角)
ロザリア ROS-74(15角)
プリントモザイク NM-1067(23角)
グラバード GRA-506(50角)
華窯ボーダー KB-M-77(144×19ボーダー)
TIPS ! さりげなく取り入れたい方におすすめ - グラッシ NEW
MER-AC5740(1200×600角)
パンデミック以降、私たちが求める色はただ美しいだけでなく、心に寄り添い、生活に調和する色へと変化しています。“モカムース”や“ホライゾングリーン”は「心の落ち着き」と「日常の上質さ」をもたらし、私たちにシンプルな喜びと自然とのつながりを再認識させることでしょう。2025年、この2色に類似する色のタイルを使い、穏やかで安らぎを感じる空間を創出してみてはいかがでしょうか。ぜひトレンドカラーにも注目しつつ、タイル選びのご参考になさってください。