タイルの名古屋モザイク工業株式会社

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TILE TREND COLUMN #26

歴史と文化の象徴 ─ 大理石


バチカン美術館内部の彫刻

イタリアのローマの中にある都市国家、バチカン市国は、世界最小の独立国家でありながら国全体が世界遺産とされる、芸術と建築の至宝を誇る場所です。特に、バチカン美術館(Vatican Museums)とサン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro in Vaticano)は、その壮麗な装飾と豊かなマテリアルで知られています。なかでも装飾として贅沢に使われている大理石やタイルはその壮麗さを支える重要な要素であり、古代からルネサンス期、バロック期に至るまで、さまざまな歴史的背景とともに発展してきました。ローマは古代から大理石文化が育まれた都市で、ローマ帝国時代には、ギリシャやエジプト、アナトリア(現在のトルコ)などからさまざまな種類の大理石が輸入され、神殿や公共の場の装飾に用いられました。ローマ人は、白い大理石だけでなく、レッド・ポーフィリー(Red porphyry)、セルペンタイン(Serpentine Marble)、ジャッロ・アンティコ(Giallo Antico)などのカラフルな大理石を好み、建築に豪華な色彩を加えていきました。この伝統はキリスト教が広まるにつれて、バチカンの建築にも継承されています。


カラフルな大理石使い

ジャッロ・アンティコ(Giallo Antico)

レッド・ポーフィリー(Red porphyry)

サン・ピエトロ大聖堂は、16世紀から17世紀にかけて建設されたもので、ルネサンス期とバロック期の建築様式が融合した傑作です。大聖堂の内部にはさまざまな種類の大理石が贅沢に使用されており、その美しさは圧巻です。


サン・ピエトロ大聖堂の床は全て大理石でデザインされている

ミケランジェロと大理石

ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564)は、イタリア盛期ルネサンス期の三大巨匠の一人であり、彫刻家、画家、建築家として、西洋美術史のあらゆる分野に大きな影響を与えた芸術家です。彼の名がバチカンと強く結びついているのは、サン・ピエトロ大聖堂のドーム設計、システィーナ礼拝堂の天井画、そして祭壇壁画「最後の審判」といった彼の傑作がここに存在するからです。ミケランジェロが設計したサン・ピエトロ大聖堂のドームは、後にバロック期の建築家によって仕上げられましたが、ミケランジェロの基本設計は今もそのまま大聖堂の象徴となっています。彼は大理石の選定にも強いこだわりを持ち、カッラーラ産の白い大理石を好みました。これは、彼が若い頃に手掛けた「ダビデ像」や「ピエタ像」にも使用された石材であり、彼の創作にとって欠かせない要素でした。


ミケランジェロが24歳の若さで完成させた彫刻「ピエタ(Pietà)」:サン・ピエトロ大聖堂に展示されている

サン・ピエトロ大聖堂のドーム(ミケランジェロ設計)

サン・ピエトロ広場(Piazza San Pietro

歴史と文化の象徴 ─ 大理石は、現代でも形を変えて受け継がれています

 

ラヴラ / LAVRA NEW

バチカンの壮麗なモザイク装飾を連想する「ラヴラ」は、大理石を近年トレンドの曲線的なパターンに加工したシリーズです。希少な大理石の持つ美しい色合いと独特な石模様がユニークなパターンと融合し、アール・デコ様式の美学を再現しているのが特徴で、天然石特有の豊かな表情とテクスチュアが、クラシックで洗練された雰囲気を演出します。バチカンの床や壁に施されたモザイク装飾と同じように、素材そのものが持つ美しさを、現代の空間に取り入れるために最適な素材といえるでしょう。


海外施工例  CXP-R2450

海外施工例  CXP-R2440

海外施工例 CXP-R2410

海外施工例  CXP-R2430

海外施工例  CXP-R2420

タソスホワイト
CXP-R2400

ライムストーンベージュ
CXP-R2410

カッラーラグレー
CXP-R2420

オリーブグリーン
CXP-R2430

ノルウェージャンローズ
CXP-R2440

ネロマルキーナ
CXP-R2450

ラヴラの詳細はこちら
 
 

クリスタルマーブル / CRYSTAL MARBLE

「クリスタルマーブル」は、大理石を現代の日本建築に取り入れやすいサイズに落とし込んだシリーズです。サン・ピエトロ大聖堂の床や柱を彷彿とさせる滑らかなテクスチュアや気品ある風合いは、天然石の最大の魅力です。「クリスタルマーブル」は、ルネサンス期の芸術家たちが追求した建築美を現代に再現する上で、極めて重要な素材だといえるでしょう。


ビャンコカララ
BOM-331(300角)・441(400角)

アラべスカート
BOM-332(300角)・442(400角)

タアンブラウン
BOM-7376(300角)・7476(400角)

ネンブロロザート
BOM-3339(300角)・4439(400角)

ロッソベローナ
BOM-3329(300角)・4429(400角)

ローザオーロラ
BOM-3320(300角)・4420(400角)

ボテチーノセミクラシコ
BOM-3360(300角)・4460(400角)

セルべジャンテ
BOM-3370(300角)・4470(400角)

ティジャモン
BOM-336(300角)・446(400角)

サン・ピエトロ大聖堂内部の大理石

バチカン市国の美術館や大聖堂に使用された大理石やタイルは、単なる装飾用のマテリアルではなく、歴史と文化の象徴といえます。ローマ帝国時代から続く石材の伝統は、ルネサンス期やバロック期を経て、現在に至るまで連綿と受け継がれています。時代を超えて愛され続ける大理石は、これからも様々な影響を与え続け、壮麗なマテリアルとして世界中の人々を魅了し続けるでしょう。

 
 

2025.3.24